パーソン・センタード・ケア
医学研の友人中西三春さんからこのようなシンポジウムのお誘いをいただいた。【東京都医学総合研究所 国際シンポジウム 認知症と共に生きる人へのエビデンスに基づく地域型アプローチ:世界的な研究知見の統合】なるもの。中西さん自身もシンポジストとして、「ユニバーサルなプライマリケアとしての認知症ケア:基本となる緩和ケアの東京版在宅介護プログラム」についての発表がありました。
日本でも何かと話題にあがる認知症ですが、実は国際的にも注目度の高いテーマになっています。ここでも世界共通の理念として、パーソン・センタード・ケアが提唱され、中西さんもその実現に向けた取り組みを研究者としての立場から発表されていました。
パーソン・センタード・ケアとは、認知症をもつ人を一人の“人”として尊重し,その人の視点や立場に立って理解し、ケアを行うおうとする認知症ケアの考え方です。本来ケアを必要とするすべての人が尊重されるべきで、認知症の人だけが尊重されていれば良いというものではないのだけれど、これまでのケア文化を振り返ると認知症の人の尊厳は侵されがち。パーソン・センタード・ケアは言うは易く行うは難しないのです。
私がこの仕事に出会った30年前は、認知症はまだまだ珍しい病気でした。2025年には高齢者の5人に一人の人が認知症を持つといわれ、もはや人生100年時代を生きていくうえで避けては通れない、誰しもが経験をする身近なものとなります。認知症をよりよく理解し、受け入れていくこは重要な課題です。
今回中西さんのパーソン・センタード・ケアをもとにした在宅生活を支援するための研究プログラムに触れて、実践者として身が引き締まる思い。研究は実践してなんぼです、我社の素晴らしいスタッフたちとともに地域に広め、地域の理解者を増やしていかなくてはならない。そう、心の中でつぶやきました。
みなさん、仲間たちのホームページのURLです、ぜひ覗いてみてください。
http://www.igakuken.or.jp/mental-health/